『貧乏画家のセピアな銀幕』中味を少しご紹介!
「人を愛する」ということは、きっとこの「映画館」の暗闇のようなもの
に違いない。相手のすべてを受け入れること。相手のすべてを許す
こと。相手のすべてを信じること。
「映画館」は、真っ黒な心で染まっていた私でさえ何も言わずに
「受け入れ」「許し」、そして「信じて」くれた。
ああ、また来たな。よしよし、どれ今日はこんな話でも聞かせてやろ
うか。早く元気になれよ。今から考えると、まるで「映画館」が
そう語りかけていたようにも思えてくる。
私は人間不信に陥っていた3年間、そんな「映画館」の暗闇に
包まれようとしていた。そしてあるときそんな「映画館」の愛情に気づい
た。そして一気に心の霧が晴れたのだ。 |
著者かやおりからのコメント!
本編で紹介した映画、約20編。
70年代~90年代の社会・風俗・流行・時事など、
懐かしさ溢れる話題も随所にちりばめた珠玉の映画
エッセイ。いや、貧乏画家である“私”の、
画家の脳みそがフル回転した美術論。
いやいや、「人生とは?」「愛とは?」「夢とは?」
――そんな哲学的命題を、
貧乏画家の目線で切り取った人生論。
さまざまな要素が折り重なった、
まさにピカソ的キュビズム・エッセイが
『貧乏画家のセピアな銀幕』である。
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